産業分析の中の重要な要素である構造分析についてここで概説する。
ポーターの5force理論や産業内の企業集積度に基づいて分析を実施することとなる。
順番に考慮すべき要素を列挙していく
既存企業との競争
以下のような状況の場合は、競争力が高まり企業にとって不利な状況となる。
- 同程度のサイズの企業が多くいる
- 商品が差別化されていない
- 産業からの退出にコストが多くかかる(例:使われていない資本財の多さなど)
例えば業界の成長が遅い場合は、market share を求めた戦いが加速する。その結果、固定費が高い業界はフル稼働で生産・出荷できるように価格を下げて数量を取りに行こうとする。そのため、価格競争が起きやすい。
参入障壁
参入障壁が高い企業が大きなパワーを手にする。参入障壁が強い例としては「生産設備に多額の資金が必要、規模の経済が発生しやすい企業」(鉄鋼、石油生産など)が挙げられる。以下の点を確認すべき。
- 資本の入手のしやすさ
- 知財がどの程度積みあがっているか
- 顧客のベースはどの程度築きやすいか
- 実績としてのマーケットシェアの安定性がどの程度あるか(安定していれば参入障壁が高い事の裏付けに成り得る)
代替品の脅威
コモディティ色が強いと、厳しい環境にさらされる。この意味だと例えば医薬品業界は特許に守られているため、代替品の観点で強い。
買い手の力(製品向け先に対する交渉力)
せっかく製品を作っても、買い手が強い力を持てば、価格に下落圧力がかかってしまう。例えば、政府や非常のに大きな企業が製品の買い手であれば、物価には下落の圧力がかかる。
売り手の力(原材料購入先に対する交渉力)
原材料の売り手が、強い力を持てば、価格に下落圧力がかかってしまう。例えばNVIDIAしか提供できないような製品は、いくら高くても買わざるを得ない。
特に「既存企業との競争」、「新規参入企業の脅威」についてはどんな企業でも気にすべき要素で、確認すべき。
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