小売売上高は小売業および飲食店の売り上げを販売(供給)側から見た代表的な統計。個人消費の動向を見るうえで重要な指標。
▼発表スケジュール
速報値:翌月第9営業日前後
改定値:対象月末から約6週間後
▼指標の中身
速報値は約5,500社、改定値は約1万3,000社のサンプル企業を対象とする。対象企業は、業種および月間売上高を考慮して選定。
▼注意点
統計を見るうえでの注意点としては以下があげられる。
①個人消費の約3割のみを占める財および飲食店のみを対象とする統計であること
②データが実質化されていないこと(インフレによる上下動を考慮していない事)
▼業種別内訳
業種別シェアを見ると、自動車・同部品(約2割)のほか、無店舗小売、外食産業・酒場業、食品・飲料、各種商品小売店、の比率が大きい。(ガソリン・スタンドのシェアは原油・ガソリン価格の影響を受けやすい。)
▼市場の注目点
1.トレンド把握では、自動車、ガソリン、建設資材、食品サービス等を除いたコア小売売上高の動向が重要。GDPの個人消費における財コアの大半がコア小売売上高と同じ伸び率になるように計算されることが一因。(なお、個人消費の自動車販売は新車販売統計から算出される。)
2.消費者信頼感は小売売上高の動向との連動性が高い傾向。ただ、金融危機後から2014年ごろまでは両者の乖離があった。
3.ホリデーセール(11~12月)
米国では年間小売売上高の約2-3割を占めるホリデー・セールに対する注目度が高い。皮切りとなる「ブラック・フライデー」(11月第4木曜日の「感謝祭」の翌日)やクリスマス直前の週末の消費動向が特に重要。ブラック・フライデーの名前の由来は小売業者が1年間で初めて黒字に転じる日だという事。
また、週次の個人消費動向を表すレッドブック・リサーチの習慣小売売上高も注目される。
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